円柱・円すいの体積の求め方がサクッとわかる
1.ポイント
下の図の左が円柱,右が円すいです。柱とすいの見分け方はわかりますか? まっすぐとはしらのように立っている方が柱,てっぺんがとがっている方がすいです。
これらの体積を求めるときには,立体の体積を求める公式を使います。立体の体積を求めるときの基本は(底面積)×(高さ)です。ただし、~~すいという名称の立体のときには、$$\frac{1}{3}$$をかけ算するのを忘れないようにしましょう。
立体の体積を求める公式は2パターン
ようするに,底面積と高ささえわかれば,円柱でも円すいでも簡単なかけ算で体積が求められるのですね。このポイントをおさえた上で,実際に問題を解いてみましょう。
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2. 円柱の体積を求める問題
問題1
図の円柱の体積を求めなさい。
問題の見方
立体の体積を求める公式より、~~柱とつく立体の場合,
(底面積)×(高さ)=(体積)
で求められますね。
底面積はこの部分です。
あとは 高さ が知りたいですよね。図からこの部分だとわかります。
解答
底面積は,半径5cmの円の面積なので,
$$\pi×5^2=25\pi(cm^2)$$
高さは9cmなので, (底面積)×(高さ)=(体積) より,
$$25\pi×9=\underline{225\pi(cm^3)}$$
映像授業による解説
3. 円すいの体積を求める問題
問題2
図の円すいの体積を求めなさい。
問題の見方
立体の体積を求める公式より,~~すいとつく立体の場合,
$$(底面積)×(高さ)×\frac{1}{3}=(体積)$$
で求められます。~~すいの立体のときは,$$\frac{1}{3}$$をかけ算するのがポイントです。
まず,底面積から求めると,次の図の部分だとわかります。
あとは 高さ が知りたいですよね。図からこの部分だとわかります。
解答
底面積 は,半径6cmの円の面積なので,
$$\pi×6^2=36\pi(cm^2)$$
高さは8cmなので,
$$(底面積)×(高さ)×\frac{1}{3}=(体積)$$
より,
$$36\pi×8×\frac{1}{3}=\underline{96\pi(cm^3)}$$
映像授業による解説
4. 【発展】円すいの体積を求める問題
問題3
図の円すいの体積を求めなさい。
問題の見方
問題2と同じように,
$$(底面積)×(高さ)×\frac{1}{3}=(体積)$$
で求めたいのですが,(高さ)がわかりません。いったいどうすればよいでしょうか?
ポイントになるのは 三平方の定理(中学3年生で学習) です。直角三角形の三辺をa,b,c(cは斜辺)とするとき,三平方の定理より,
$$a^2+b^2=c^2$$
が成り立ちます。図の円すいで,母線の10cmを斜辺,底面の円の半径の6cmを底辺とする直角三角形に注目すると,
円すいの高さhについて三平方の定理により,
$$h^2+6^2=10^2$$
と立式できます。この式から(高さ)がわかれば、(底面積)×(高さ)=(体積)で計算できますね。
解答
底面積 は,半径6cmの円の面積なので,
$$\pi×6^2=36\pi(cm^2)$$
高さをh(cm) とおくと,三平方の定理より,
$$h^2+6^2=10^2$$
$$h^2=10^2-6^2=100-36=64(cm)$$
つまり,
$$h=8(cm)$$
求める円すいの体積は,
$$36\pi×8×\frac{1}{3}=\underline{96\pi(cm^3)}$$
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この記事は, 「円柱・円すいの体積の求め方がわからない…」という人に向けて解説 します。数学が苦手な人でもこの記事を読めば,円柱・円すいの体積がサクッと求められる ようになります。