投影図の見抜き方のコツ ~立面図・平面図のパターンに注目~
1.投影図とは?
投影図とは,立体をある方向から見て平面に表した図です。投影図のうち,特に立体を真上から見た図を平面図といいます。
これに対して,立体を真正面から見た図を立面図といいます。
投影図では,平面図が下に,立面図が上に描かれて,セットで出されることが多いです。
2.ポイント
投影図の問題では,立体の名称を答えるパターンが頻出です。
いったい何を手掛かりに,立体の名称を探り当てればよいのでしょうか? みなさん,探偵になったような気持ちで,犯人(立体の名称)を特定しましょう。ポイントになるのは,平面図と立面図の眺め方です。
まず平面図は,真上から眺めた図のことでしたね。立体を真上から眺めると,底の形がどうなっているかがわかります。つまり,底面がわかるのです。
例えば,底面が円ならば,円柱か円すいだとイメージできますね。同様に,底面が三角形ならば,三角柱か三角すいだとイメージできますね。
底の形が特定できたら,次に立面図に注目します。立面図は,真正面から眺めた図のことでしたね。立体を真正面から眺めると,てっぺんの形がどうなっているかがわかります。
投影図の眺め方
例えば,立面図が三角形であれば,てっぺんがとがっていることがわかります。これはすいの特徴ですね。もし,立面図が長方形であれば,てっぺんまで真っすぐに伸びている柱のような形であることがわかります。これは柱の特徴ですね。
平面図から底の形を,立面図からてっぺんの形を推測すると,立体の名称が当てられるようになります。このポイントをおさえた上で,実際に問題を解いてみましょう。
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3. 投影図から立体を見抜く問題①
問題1
次の①~④の投影図は,三角柱,三角すい,四角柱,四角すい,円柱,円すい,球のうち,どの立体を表したものかそれぞれ答えなさい。
問題の見方
ポイントは,平面図と立面図の眺め方です。
投影図の眺め方
まず,下に描かれている平面図から,底の形がどうなっているかを推測しましょう。次に上に描かれている立面図に注目します。立体を真正面から眺めた立面図からは,てっぺんの形がどうなっているかがわかります。
解答
①は,平面図が円,立面図が四角形なので
$$\underline{円柱}……(答え)$$
②は,平面図が四角形,立面図が三角形なので
$$\underline{四角すい}……(答え)$$
③は,平面図が三角形,立面図が四角形なので
$$\underline{三角柱}……(答え)$$
④は,平面図が円,立面図も円なので
$$\underline{球}……(答え)$$
映像授業による解説
4. 投影図から立体を見抜く問題②
問題2
次の投影図は,円柱,円すい,球のうち,どの立体を表したものか答えなさい。
問題の見方
問題2の投影図は,例外的なパターンとしておさえておくとよいでしょう。平面図・立面図ともに長方形なので,四角柱に見えます。たしかに,四角柱は平面図・立面図ともに長方形となるのですが,問題の選択肢に四角柱がありません。こんなときは,立体を横に倒したパターンを考えてみてください。円柱を横に倒すと,平面図・立面図ともに長方形になることがわかりますね。
解答
$$\underline{円柱}……(答え)$$
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この記事は, 「投影図の見方がわからない」という人に向けて解説 します。数学が苦手な人でもこの記事を読めば,投影図の問題がサクッと解ける ようになります。