must not と don't have to の違い
1.ポイント
must + 動詞 と have to + 動詞 はどちらも 「~しなければならない」 という表現です。
You must study. 「あなたは勉強しなければならない。」
You have to study. 「あなたは勉強しなければならない。」
したがって、「must=have to」と覚えてしまっている人が多いですよね。でも、「must=have to」と覚えていると、次のように否定形となった時、意味が異なることに混乱してしまいます。
You must not go there. 「あなたはそこに行ってはいけない。」
You don't have to go there. 「あなたはそこに行かなくてもよい。」
must not~は 「~してはいけない」 と禁止しているのに対し、don’t have to ~は 「~しなくてもよい」 という不必要の意味になっています。実は、この違いはmust~とhave to~のニュアンスの違いによるもので、 「must=have to 」と覚えるのは完全な誤り なのです。
では、mustとhave toの違いとは何になるのでしょうか? 次のポイントが重要になります。
must は have to より強制力が強い!
must not ~(禁止) 「(絶対に)~してはいけない」
don’t have to ~ (不必要) 「~しなくてもよい」
……といっても、このポイントだけ聞いて、頭にしっかりと定着する人は少ないですよね。ポイントをおさえた上で、具体例を紹介します。
2.must とhave to の肯定文での違い
「mustはhave toより強制力が強い!」 という点が非常に大事です。次の例文を見てみましょう。
①You must study. 「あなたは勉強しなければならない。」
②You have to study. 「あなたは勉強しなければならない。」
①You must study.
強制力が強いmustを使った文です。「あなたは勉強しなければならない」というより、「あなたは(絶対に)勉強しなければならない(=勉強しろ)」と命令しているくらいのニュアンスです。テストで0点に近い成績ばかりをとってしまった「you」が、お母さんから注意を受けている――そんなときに飛び出るセリフが「You must study!」なのです。
②You have to study.
強制力が弱いhave toを使った文です。少し落ち着いた感じで、「あなたは勉強しなければならないね」と客観的なアドバイスをしているようなニュアンスです。日本語では同じ「~しなければならない」でも、mustとhave toにはこれだけのニュアンスの差があります。
映像授業による解説
3.must とhave to の否定文での違い
では、 「must は have to より強制力が強い!」 という観点から、今度は否定文を見てみましょう。
①You must not go there. 「あなたはそこに行ってはいけない。」
②You don't have to go there. 「あなたはそこに行かなくてもよい。」
①You must not go there.
強制力が強いmustを使った文です。go thereすることに、must notと
ハンパないプレッシャーをかけられています。 「(絶対に)~しなければならない」の否定表現なので、「(絶対に)~するな・してはいけない」という意味になる のですね。
②You don't have to go there.
強制力が弱いhave toを使った文です。go thereすることに、少し落ち着いた感じでdon’t have toと客観的に話しています。 軽い感じの「~しなければならないね」の否定表現なので、「~しなくてもいいよ」という意味になる のですね。
映像授業による解説
4. must notとdon't have toに関する問題
問題1
日本語にあう文になるようカッコ内に適切な語句を入れましょう。
(1) あなたはここで写真を撮ってはいけません。
You ( ) pictures here.
(2) 私の弟は今日学校に行く必要はありません。
My brother ( ) to school today.
解答
(1) must not[mustn't] take
(2) doesn't[does not] have to go
解説
(1)は「(絶対に)~してはいけない」という禁止のニュアンス。これは、must not ~で表せましたね。「写真を撮る」はtake picturesと表せるので、must not takeと入れましょう。
(2)は「~しなくてもよい」という不必要のニュアンス。この場合は、don’t have to ~ 「~しなくてもよい」で表せました。主語が「My brother」という「三人称単数」なので、doesn’t have to goですね。
問題2
次の英文を、日本語にしましょう。
(1) You must not run in this classroom.
(2) They don’t have to study math today.
解答
(1) あなたはこの教室で走ってはいけません。
(2) 彼らは今日数学を勉強する必要はありません。
解説
(1)は、must notが使われていますね。「禁止」の表現で、「(絶対に)~してはいけない」という意味でした。
(2)は、don’t have toが使われていることに注目。「不必要」を表す表現で、「~しなくてもよい」という意味でしたね。
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「have toを使った文」について詳しく知りたい方はこちら
「have toの否定文」について詳しく知りたい方はこちら
この記事は、 「must not と don't have to[do not have to]の違いがわからない…」という人に向けて解説 します。英語が苦手な人でもこの記事を読めば、must not と don't have toの違いが簡単にわかる ようになります。