葉脈とは ~葉脈の働き・種類(網状脈と平行脈)~
1. ポイント
みなさんは、次のような植物の葉を見たことはありませんか?
2つの葉には、 葉脈 とよばれる筋があります。
左のようなものを 網状脈 、右のようなものを 平行脈 といいます。
この違いは、植物の分類とも深く関連しており、テストでよく出題されます。
葉脈に関する知識を整理して、問題にチャレンジしてみましょう。
2. 葉脈とは
図の植物の葉には、 筋 のようなものが通っていますね。
この筋は、ヒトの手の脈(血管)のように見えることから、 葉脈 とよばれます。
葉脈とは、葉にある筋のこと
3. 葉脈の役割
葉脈はどのような働きをしているのでしょうか?
まず、葉脈は、 水分や栄養分をからだ中に運ぶ役割 をしています。
「脈」と呼ばれているように、ヒトの「血管」と似たはたらきをしているわけですね。
また、葉脈には、 葉が横向きになるように支える役割 もあります。
葉が横を向いていないと、太陽の光が十分に当たらず、光合成ができないからです。
葉脈の役割は、水分や養分を運ぶ・葉を支える
4. 葉脈と維管束のちがい
みなさんは、葉脈と似た言葉として、 維管束 というものを聞いたことがありますか?
葉脈と維管束は、どちらも植物のからだの中を通っている管のようなものです。
この2つは、よく似ているので混乱してしまう人が多いようです。
葉脈と維管束のちがい をおさえておきましょう。
維管束とは、植物の茎にある管状のつくりのことをいいます。
それに対して、葉脈とは、茎の維管束が葉の方へと枝分かれしたものです。
茎にあるのが維管束、葉にあるのが葉脈 と覚えておくとよいでしょう。
茎にあるのが維管束、葉にあるのが葉脈
5. 葉脈の種類
ひとくちに葉脈といっても、実は様々な種類があります。
次に、葉脈の種類に注目していきましょう。
ここが特に試験で狙われやすいポイントです。
たとえば、 双子葉類と単子葉類では、葉脈の形が大きく異なる のです。
最初に出てくる芽(子葉)が2枚のものを双子葉類、1枚のものを単子葉類といいましたね。
葉脈の種類① 網状脈
次の図にあるのは、 双子葉類 に分類されるホウセンカの葉です。
葉脈が 網目のように広がっている ことがわかりますね。
このような葉脈を、 網状脈 といいます。
網状脈をもつ植物としては、ほかにアブラナやエンドウ、アサガオなどがあります。
これらはすべて、 双子葉類 に分類される植物ですね。
双子葉類の葉脈は、網目のように広がった網状脈
葉脈の種類② 平行脈
それに対して、次の図にあるのは、 単子葉類 に分類されるムラサキツユクサの葉です。
葉脈が根元から先端へと、 まっすぐに伸びている ことがわかりますね。
このような葉脈を、 平行脈 といいます。
平行脈をもつ植物としては、ほかにイネやトウモロコシなどがあります。
これらはすべて、 単子葉類 に分類される植物ですね。
単子葉類の葉脈は、まっすぐに伸びた平行脈
映像授業による解説
6. 【問題と解説】 葉脈の役割・種類
みなさんは、葉脈の役割や種類について理解することができましたか?
最後に簡単な問題を解いて、知識を確認しましょう。
問題
次の問いに答えよ。
(1) 葉脈の役割として適当なものを、次のア~エから2つ選び、記号で答えよ。
ア 光合成を行う
イ 葉が横向きになるように支える
ウ 水分や栄養分をからだ中に運ぶ
エ 空気中の二酸化炭素を取り込む
(2) 単子葉類・双子葉類のもつ葉脈を、それぞれ何と呼ぶか答えよ。
解説
(1)は、葉脈の役割・はたらきに関する問題です。
アは、 葉緑体の役割 を表しています。
エは、 気孔の役割 を表しています。
残りのイとウは、 葉脈の役割 です。
(答え) イとウ
(2)は、葉脈の種類に関する問題です。
葉脈は、単子葉類と双子葉類で異なっていましたね。
双子葉類の葉脈は、網目のように広がった 網状脈 です。
ホウセンカやアブラナ、アサカオといった植物が当てはまります。
単子葉類の葉脈は、まっすぐに伸びた 平行脈 でしたね。
イネやトウモロコシ、ムラサキツユクサなどの植物が当てはまります。
葉脈の種類と植物の分類を関連付けて覚えておきましょう。
(答え) 双子葉類: 網状脈
単子葉類: 平行脈
7. Try ITの映像授業と解説記事
「植物の葉のつくり」について詳しく知りたい方はこちら
この記事は、 「葉脈の役割・種類などがわからない」という人に向けて解説 します。
特に、葉脈の種類については、単子葉類・双子葉類の分類とセットで問われることがあります。
定期テストや入試にもよく出題されるテーマなので、わかりやすく解説していきます。