電磁誘導とは ~電磁誘導のしくみ、誘導電流の向き~
1. ポイント
コイルの中の磁界が変化すると、コイルに電流が流れます。
この現象を 電磁誘導 といいます。
また、電磁誘導によってコイルに流れる電流を 誘導電流 といいます。
2つの用語だけでなく、しくみをきちんと理解して、問題にチャレンジしてみましょう。
2. 電磁誘導とは
電流が流れているところには、磁界が発生しましたね。
一方で、磁界を変化させると、電流をつくりだすことができます。
この現象を 電磁誘導 というのです。
次の図を見てください。
コイルに磁石を出し入れすると、コイルには電流が流れます。
これは、コイル内の磁界が変化するために起こる現象なのです。
電磁誘導とは、磁界の変化によってコイルに電流が流れる現象
3. 誘導電流とは
電磁誘導によって生じる電流を 誘導電流 といいます。
誘導電流が流れる向きには、ある特徴があります。
まず、コイルに磁石を入れるときと出すときでは、流れる電流の向きは 逆 になります。
さらに、出し入れする磁石の極を変えたときも、流れる電流の向きは 逆 になります。
3つの方法によって、誘導電流を強くすることができます。
①コイルの巻き数を増やす。
②磁石を出し入れするスピードを上げる。
③磁石の磁力を強くする。
誘導電流とは、電磁誘導によって生じる電流
映像授業による解説
4. 電磁誘導の利用
普段の生活で、コイルに磁石を出し入れすることなんてほとんどありませんよね。
電磁誘導という現象は、一体何に利用されているのでしょうか?
実は、とても身近なところでたくさん使われているのです。
代表的な例は、 発電機 です。
発電機とは、電磁誘導を利用して、電流を連続的に生じさせる機械です。
発電機の中では、コイルの近くで磁石が回転しています。
すると、コイル内の磁界が変化し続けるため、電磁誘導によって連続的に電流が流れるのです。
他にも、マイクロフォンやIH調理器も、電磁誘導を利用しています。
電磁誘導は、私たちのまわりでたくさん利用されているのです。
電磁誘導は発電機などで利用
5. 【問題と解説】 電磁誘導・誘導電流
みなさんは、電磁誘導や誘導電流について理解することができましたか?
最後に簡単な問題を解いて、知識を確認しましょう。
問題
図1のように、棒磁石のS極を下にしてコイルに入れたところ、電流はアの向きに流れた。
図2の①~③の場合は、電流はア・イのどちらの向きに流れるか?
解説
図1では、棒磁石のS極を下にしてコイルに入れると、電流がアの向きに流れました。
この電流を誘導電流といいます。
誘導電流が流れる向きには、ある特徴がありました。
まず、コイルに磁石を入れるときと出すときでは、流れる電流の向きは 逆 になります。
また、出し入れする磁石の極を変えたときも、流れる電流の向きは 逆 になります。
これを参考に、①~③の場合を考えてみましょう。
①は、棒磁石のS極を下にしてコイルから引き出しています。
図1とは棒磁石の動かし方が逆になっているので、誘導電流の向きも逆になります。
よって、答えは イ です。
(答え) イ
②は、棒磁石のN極を下にしてコイルに入れています。
図1とは棒磁石の極が変わっているので、誘導電流の向きも逆になります。
よって、答えは イ です。
(答え) イ
③は、棒磁石のN極を下にしてコイルから引き出しています。
図1とは棒磁石の動かし方が逆になっていますが、極も変わっているので、誘導電流の向きは図1と同じになります。
よって、答えは ア です。
(答え) ア
6. Try ITの映像授業と解説記事
「電磁誘導と誘導電流」について詳しく知りたい方はこちら
この記事は、 「電磁誘導がわからない」という人に向けて解説 します。
電磁誘導とはどのような現象なのでしょうか?また、どのような場面で利用できるのでしょうか?
これらは定期テストや入試にもよく出題されるテーマなので、問題を解きながら、わかりやすく解説していきます。