中3理科

遺伝子・DNAとは ~遺伝のしくみ、遺伝子とDNAのちがい~

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この記事は、 「遺伝のしくみや遺伝子とDNAのちがいがわからない」という人に向けて解説 します。
遺伝子とDNAはとても紛らわしくて、違いを説明できない人も多いのではないでしょうか?
定期テストや入試にもよく出題されるテーマなので、問題を解きながら、わかりやすく解説していきます。

1. ポイント

みなさんは遺伝子とDNAをしっかりと説明できますか?
遺伝情報を伝達するもののことを 遺伝子 といいます。
遺伝子は核の染色体のなかに、 DNA として存在しています。

この 遺伝子とDNAの違い については期末試験や入試問題でもよく出題されますので、ポイントをしっかりとおさえていきましょう。

2. 遺伝子とは

親から子へ生物の特徴を伝えることを 遺伝 といい、遺伝情報を伝えるもののことを 遺伝子 と呼びます。
また、遺伝によって受け継がれる特徴のことを 形質 といいます。

ココが大事!

遺伝子とは親から子へ形質を伝える情報そのもの

3. DNAとは

遺伝子をもつ本体となる物質を DNA と呼びます。
DNAとは、 デオキシリボ核酸 という物質の略です。
塩酸や二酸化炭素のように、その物質のでき方を表す言葉なのです。

デオキシリボ核酸は、リン酸とデオキシリボース(糖)と塩基が結合してできたものです。
このときにできるつくりを ヌクレオチド といい、多数のヌクレオチドがつながると、 二重らせん構造 をもつ DNA となります。

ちなみに、DNAが折り重なって、 染色体 という大きなつくりができます。
酢酸カーミンや酢酸オルセインといった薬品によって染まるのは、この染色体なのです。

ココが大事!

DNAが遺伝子をもつ物質

4. 遺伝子とDNAのちがい

少し意外かもしれませんが、DNAを構成する塩基配列は、すべてが遺伝情報を伝えるわけではありません。
遺伝情報を伝える部分と伝えない部分があるのです。
DNAの中でも 遺伝情報を伝える領域を遺伝子 と呼びます。

整理しておきましょう。
私たちが核を観察したときに見える 染色体 は、大量の DNA が折り重なってできたものです。
そして、DNAの中には、遺伝情報を伝える部分と伝えない部分があります。
この場合の遺伝情報を伝える部分のことを、 遺伝子 といいます。

ココが大事!

遺伝子とは、DNAの中で遺伝情報を伝える領域

映像授業による解説

動画はこちら

5. 【問題と解説】 遺伝子とDNAのちがい

みなさんは、遺伝子とDNAのちがいについて理解することができましたか?
最後に簡単な問題を解いて、知識を確認しましょう。

問題

次の文章について、(ア)~(エ)当てはまる語句を答えよ。

細胞分裂について調べるために,タマネギの根の細胞を観察した。
すると,細胞の中にひも状のものが観察される細胞が見られた。この部分は,(ア   )溶液などの染色液によって染まることから,(イ  )とよばれる。

(イ)には,生物の形や性質を決める(ウ  )がふくまれている。また,(ウ)の本体となる物質をデオキシリボ核酸といい,(エ  )とも表される。

解説

(答え)ア 酢酸カーミン[酢酸オルセイン]
    イ 染色体
    ウ 遺伝子
    エ DNA

6. Try ITの映像授業と解説記事

「細胞分裂と染色体」について詳しく知りたい方はこちら