現在完了形(have+過去分詞)とは? ~3つの用法と使い分け~
1.ポイント
現在完了形は、 have+過去分詞 で表され、次の3つの意味のいずれかを表します。
① 継続「(ずっと)~している」
② 経験「~したことがある」
③ 完了・結果「(ちょうど)~したところだ」「(もう)~した」
現在完了形は、日本語にはない用法で、意味が3通りもあります。「苦手だな~」という人がとても多いですよね。しかし、実はたった1つのイメージをおさえてしまえば、現在完了形の3つの用法はスッキリ理解できます。次の重要ポイントをおさえましょう。
現在完了形は「現在までつながっているイメージ」
現在完了形は、上図のような時間軸のイメージが重要なのです。「現在までつながっているイメージ」をもとに3つの用法を詳しく解説していきましょう。
2.継続「(ずっと)~している」
① 継続「(ずっと)~している」 から見ていきます。現在完了形のコアとなるイメージ 「現在までつながっている」 をもとに、次の例文を見てみましょう。
I have studied here since 8:00.
I have studied が表す内容は、 「(過去から現在まで)study」 がつながっているイメージです。いつからstudyしたのかというと、since 8:00「8時から」ですね。
つまり、8時からずっと勉強して現在に至っているので、
I have studied here since 8:00.
「わたしは、8時から (ずっと)勉強しています 。」
と訳せます。
同様に、次の例文を見てみましょう。
He has been busy for a long time.
He has been busy が表す内容は、 「(過去から現在まで)busyな状態」 がつながっているイメージです。いつからbusyな状態かというと、for a long time「長い間」ですね。
つまり、長い間忙しくて現在にまで至っているので、
He has been busy for a long time.
「彼は、長い間 (ずっと)忙しいです 。」
と訳せます。
このように、①継続用法「(ずっと)~している」では、ある動作や状態が現在までずっと続いていることを表します。したがって、 for「~の間」 や since「~以来、~から」 のように、期間を表す語句がよく一緒に使われます。
映像授業による解説
3.経験「~したことがある」
次に、 ②経験「~したことがある」 です。現在完了形のコアイメージ 「現在までつながっている」 をもとに、次の例文を見てみましょう。
I have seen the movie three times.
I have seen が表す内容は、 「(過去から現在まで)see」 がつながっているイメージです。three times「3回」という表現から、「see」が3回あったことがわかります。
つまり、現在までに3回その映画を見たので、
I have seen the movie three times.
「わたしは、その映画を3回見たことがあります。」
と訳せます。
ちなみに、単純に過去形を使って I saw the movie.「わたしは、その映画を見ました。」 と表現すると、過去のある1点で見たことが言えるだけです。
映画を見たのが1回だけでも、「過去に1回見て、現在、自分がその映画を見た状態である」ことを強調するときは、
I have seen the movie before.
「わたしは、以前にその映画を見たことがあります。」
と表現します。
「現在までにつながっている」を表現するには、現在完了形have seenがぴったりな表現になるのです。なお、②経験「~したことがある」では、 twice「2回」 や many times「何回も」 のように、回数を表す表現とよく一緒に使わます。
映像授業による解説
4.完了・結果「(ちょうど)~したところだ」「(もう)~した」
最後に、 ③完了・結果「(ちょうど)~したところだ」「(もう)~した」 です。これも現在完了形のコアイメージ 「現在までつながっている」 をもとに例文を見てみましょう。
I have just cleaned the room.
I have cleaned が表す内容は、 「(過去から現在まで)clean」 がつながっているイメージです。just「ちょうど」という表現から、現在にちょうどcleanが完了したことがわかります。
つまり、ちょうど現在に掃除が完了したので、
I have just cleaned the room.
「わたしは、ちょうど部屋を掃除したところです。」
と訳せます。
同様に、次の例文を見てみましょう。
I have already finished my homework.
I have finished が表す内容は、 「(過去から現在まで)finish」 がつながっているイメージです。さらに、already「もうすでに」という表現から、宿題をfinishしたのは過去のことであることがわかりますね。ただし、単純に「宿題をやった」ことが言いたいわけでなく、現在完了形を使うことで「宿題をやり終えた状態が現在までつながっている」ことを表しています。
つまり、すでに宿題を終えて現在に至っているので、
I have already finished my homework.
「わたしは、もう宿題を終えました。」
と訳せます。
なお、③完了・結果「(ちょうど)~したところだ」「(もう)~した」では、 just「ちょうど」 や already「もうすでに」 の他、否定表現とともにnot ~ yet「まだ~していない」、疑問文で ~ yet?「もう~した?」 がよく一緒に使われます。
映像授業による解説
5.現在完了形に関する問題
問題
次の英文を、日本語にしましょう。
(1) I have been to Hida-Takayama once.
(2) Have you eaten lunch yet?
(3) I have never read the book.
(4) It has been cloudy since Friday.
解答
(1) わたしは、飛騨高山に一度行ったことがあります。
(2) あなたはもう昼食を食べましたか。
(3) わたしは、その本を一度も読んだことがありません。
(4) 金曜日からずっとくもりです。
解説
(1)は、have been to+場所で「(場所)に行ったことがある」を表します。現在完了形の経験用法ですね。once「一度」という回数の表現があることからも経験用法だとわかります。
(2)は、Have ~ yet?に注目しましょう。「もう~しましたか。」という完了・結果を表します。疑問文のyetは「もう」、否定文でのyetは「まだ」という訳になります。
(3)は、have never readで「一度も読んだことがない」を表します。neverは「一度も~ない」という表現で、現在完了形の経験用法でよく用いられます。
(4)は、It has been cloudyで「(ずっと)くもりである」を表します。現在完了形の継続用法ですね。since「~から」という表現があることからも継続用法だとわかります。
Try ITの映像授業と解説記事
「現在完了形の継続用法」について詳しく知りたい方はこちら
「現在完了形の継続用法(be動詞の場合)」について詳しく知りたい方はこちら
「現在完了形の経験用法」について詳しく知りたい方はこちら
「現在完了形の完了・結果用法」について詳しく知りたい方はこちら
この記事は、 「現在完了形がわからない…」という人に向けて解説 します。英語が苦手な人でもこの記事を読めば、現在完了形の意味と使い分けが簡単にわかる ようになります。