高校生物基礎
5分でわかる!ろ過
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この動画の要点まとめ
ポイント
尿生成
これでわかる!
ポイントの解説授業
原尿はとてつもない量が再吸収される
尿ができるまでのプロセスを図とともに簡単に振り返ってみましょう。
腎臓では、糸球体に流れ込んだ血液がろ過されてボーマンのうへと流れ込みます。この液体成分を 原尿 といいましたね。原尿のうち体に必要な成分は、腎細管、集合管を通る際に血液中に 再吸収 されるのでした。
このようなプロセスをイメージしたうえで、1つクイズを出します。みなさんはヒトが 1日にどれくらいの尿を排出している かわかりますか?
ヒトの1日の尿量はおよそ 2L もあるのです。想像よりも大きな数字だったのではないでしょうか。では、 2Lの尿に対して、原尿の量はどれくらいか 想像ができますか?
なんと原尿は 180L です。とてつもない量の原尿ですね。180Lの原尿から、最終的に尿として排出されるのは2Lしかありませんので、再吸収によってほとんどが血液中に戻されていることがわかります。
腎細管の鉱質コルチコイドがナトリウムイオンの再吸収を促進
180Lの原尿のうち170Lの水分は、 腎細管 で自動的に再吸収されます。
腎細管 では、水分だけでなく、液体に溶けている グルコースやナトリウムイオンを再吸収 する働きがありましたね。ナトリウムイオンの再吸収で働いているのは、 鉱質コルチコイド というホルモンです。例えば、ヒトが大量の汗をかいた場合などは、体からナトリウムイオンが失われるので、腎細管に鉱質コルチコイドがたくさん出て、血液中へのナトリウムイオンの再吸収を促進させます。
集合管のバソプレシンが水分の再吸収を促進
さらに、原尿の残り10Lは、 集合管 で再吸収されます。この 集合管 では 体内の水分量を調整 します。例えば、大量の汗をかき、体内の水分が不足した場合などは、集合管に バソプレシン というホルモンが出て、積極的に水分の再吸収を行います。
このようにして尿生成は、体の状況に応じて調整されているのです。
ヒトの体が、どのように尿の量と濃度を調節しているのかを解説します。