5分でわかる!窒素からアミノ酸ができるまで
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この動画の要点まとめ
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グルタミンとグルタミン酸を経てアミノ基が合成
植物は、土壌中のアンモニウムイオンや硝酸イオンを取り込んでいます。
特に硝酸イオンは、植物の体内で還元酵素によってアンモニウムイオンになりました。
植物は、どのようにしてアンモニウムイオンからアミノ酸を合成しているのでしょうか?
次の図を見てください。
図の左に書かれたアンモニウムイオンは、植物の体内に蓄積されているものです。
アンモニウムイオンはまず、植物内のグルタミン酸と反応することによって、グルタミンになります。
さらにグルタミンは、植物内のケトグルタル酸と反応することによって、グルタミン酸を2分子合成します。
合成された2つのグルタミン酸は、それぞれどのような働きをしているのでしょうか?
1つは、再びアンモニウムイオンと結合してグルタミンを合成します。
もう1つは、ケトグルタル酸に変化する過程で、アミノ基を合成します。
図の右には、アミノ基が書かれていますね。
アミノ基+有機酸⇒アミノ酸
アミノ基はあくまで官能基なので、まだアミノ酸ではありませんね。
アミノ基は、どのようにしてアミノ酸になるのでしょうか?
アミノ基は、有機酸と結合することによってアミノ酸になります。
次の図を見てください。
アミノ酸がどのような構造をしていたか覚えていますか?
図の左下に、アミノ酸の構造式が描かれていますね。
アミノ酸は、カルボキシル基(カルボキシ基) とアミノ基という共通構造をもっていました。
アミノ基と結合する有機酸とは、アミノ酸の構造式において四角で囲まれた、アミノ基を除いた部分を指します。
有機酸とアミノ基は自然に化学反応を起こすわけではありません。
この化学反応を触媒する酵素が存在します。
この酵素を、アミノ基転移酵素といいます。
ちなみに、合成されたアミノ酸は、細胞内での翻訳に使われます。
翻訳によって、アミノ酸はペプチド結合を形成し、最終的にタンパク質になりましたね。
アミノ酸から合成されたタンパク質が、生体の様々なところで機能しているのです。
タンパク質を構成するアミノ酸ができるまでの過程を、しっかりおさえておきましょう。
自然界では、空気中の窒素からアミノ酸がつくられています。
このように、窒素原子Nを含む生体成分を合成する過程全体を、窒素同化といいます。
今回は特に、アンモニウムイオンからアミノ酸が合成されるまでの過程を見ていきましょう。