5分でわかる!クエン酸回路
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この動画の要点まとめ
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クエン酸回路⇒最初にクエン酸を生成する反応系
解糖系で生じたピルビン酸は、ミトコンドリアのマトリクスに取り込まれます。
このときに起こるクエン酸回路の様子を表したのが、次の図です。
なお、図で丸く囲まれたC4などの表記は、その物質がC(炭素原子)をいくつもっているかを表しています。
それでは、反応の流れを順番に見ていきましょう。
クエン酸回路では、化学反応が次々と起こり、物質が循環します。
最初に注目するのは、図の上の部分です。
解糖系で生じたピルビン酸がミトコンドリアに到達しました。
このとき、外膜と内膜を通って、マトリクスに進入していますね。
このとき、ピルビン酸が活性酢酸へ変化しています。
次に、活性酢酸が、オキサロ酢酸と反応して、クエン酸ができます。
反応系において一番最初に生成する物質がクエン酸なので、クエン酸回路というのですね。
クエン酸→α-ケトグルタル酸→コハク酸→フマル酸→リンゴ酸→オキサロ酢酸→…
クエン酸はさらに、次のような流れで循環していきます。
クエン酸→α-ケトグルタル酸→コハク酸→フマル酸→リンゴ酸→オキサロ酢酸→…
このときに出入りする物質に注目しながら、順番に確認していきましょう。
注目するのは、二酸化炭素・水素・水・ATPの4つの物質です。
二酸化炭素を放出する反応は3つ
二酸化炭素が放出される反応が3つあります。
まずは、ピルビン酸から活性酢酸へ変化する過程を見てください。
ピルビン酸はCを3つもっていますが、活性酢酸はCを2つしかもっていませんね。
このことからも、二酸化炭素が放出されたことがわかります。
他にも、クエン酸がα-ケトグルタル酸へ変化する過程、α-ケトグルタル酸がコハク酸へ変化する過程でも、二酸化炭素が放出されています。
どの反応でも、物質のもつCの数が減っていることに注意しましょう。
水素を放出する反応は5つ
次に、水素に注目しましょう。
図を見てください。
クエン酸回路でも、解糖系と同じように水素が放出されます。
図では、水素が放出される反応が5つあります。
また、水素がNADH + H+ というかたちで放出される反応と、**FADH2**というかたちで放出される反応があります。
ピルビン酸から活性酢酸、クエン酸からα-ケトグルタル酸、α-ケトグルタル酸からコハク酸、リンゴ酸からオキサロ酢酸という4つの化学反応においては、水素はNADH + H+ というかたちで放出されます。
一方、コハク酸からフマル酸へ変化する過程では、FADH2 というかたちで水素が放出されます。
FADH2とは、水素がFADと結合したものです。
水を必要とする反応は3つ
次に、水に注目しましょう。
図を見てください。
水を必要とする反応が、3つあります。
オキサロ酢酸からクエン酸、α-ケトグルタル酸からコハク酸、フマル酸からリンゴ酸という3つです。
ATPが合成される反応は1つ
最後に、ATPに注目しましょう。
ATPが合成される反応が、1つあります。
図を見ると、α-ケトグルタル酸からコハク酸が生成される過程で、ATPが生成されていることがわかります。
そもそも呼吸のような異化の過程では、有機物を分解してエネルギーを生成することが特徴でした。
そのため、解糖系と同じように、クエン酸回路でもATPが生成するのですね。
クエン酸回路をまとめると…
クエン酸回路は複雑ですが、化学反応式とあわせてしっかり覚えましょう。
このときの反応を、式にまとめると、次のようになります。
クエン酸回路では、2molのピルビン酸が、6molの水と反応します。
そして、6molの二酸化炭素を放出しつつ、8molのNADH + H+と2molのFADH2を生成しながら、2molのATPを生成します。
また、クエン酸回路全体で20molの水素原子が生成され、呼吸の3番目の反応である水素伝達系(電子伝達系)へ移ることもおさえておきましょう。
①の解糖系に続き、②のクエン酸回路について、詳しく見ていきましょう。