5分でわかる!解糖
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この動画の要点まとめ
ポイント
グルコースがピルビン酸へ
細胞にグルコースが取り込まれた場合をイメージしてください。
通常、酸素が利用できる状況では、呼吸の反応が進んでいきます。
しかし、酸素がない状況では、グルコースはどのように反応するのでしょうか?
次の図を見てください。
細胞に取り込まれたグルコースは、細胞質基質で代謝されます。
まず、グルコースから2つのピルビン酸が生成します。
その過程で、水素イオンが2個ずつ取られるのが特徴です。
グルコースから取られた水素イオンは、NADと結合し、2つの NADH + H+ が生成します。
酸素を利用した呼吸を行える状況では、生成した水素は水素伝達系(電子伝達系)にて消費されます。
しかし、酸素がない状況では、呼吸におけるこの反応は進行しません。
さらに、細胞質基質のNADが消費されると、グルコースを分解する反応を起こすこともできなくなってしまいます。
この先は、どのように反応が進められ、ATPが合成されるのでしょうか?
ピルビン酸が乳酸へ
実は、生成された水素がピルビン酸と結合するという反応が起こります。
2つのピルビン酸にそれぞれ水素H2が結合することで、2つの乳酸が生成します。
このように解糖の過程では、ピルビン酸を乳酸へ変化させるときに水素を消費することができます。
すると、NADH + H+はNADに戻り、グルコースをピルビン酸にする反応を再び起こすことができるのです。
解糖のポイントは、水素イオンがピルビン酸に戻されることで、乳酸が合成されることです。
生成された乳酸は、最終的に肝臓へ蓄えられます。
このときの乳酸は、グルコースやグリコーゲンといったかたちに変えられます。
解糖の反応は、呼吸の解糖系と同じ
ところで、グルコースからピルビン酸が生成される過程を、どこかで見たことがありませんか?
この反応は、呼吸の1番目の反応である解糖系と同じですね。
そのため、解糖は解糖系と同様に細胞質基質で行われるのです。
また、解糖の過程でもATPを合成します。
酸素が利用できない状況でATPを合成する異化を、解糖といいます。
今回は、解糖について詳しく見ていきましょう。