5分でわかる!アルコール発酵
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この動画の要点まとめ
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アルコール発酵は、酵母菌が行う
アルコール発酵とは、簡単に言うと、お酒を作る過程のことです。
このはたらきを行う微生物を、酵母菌といいます。
例えば、ビールは、酵母菌の一種であるビール酵母によって作られています。
酵母菌は、私たちヒトと同じ真核生物で、ミトコンドリアをもっています。
そのため、酸素がある状況では呼吸を行っています。
そして、酸素がない状況では、アルコール発酵を行っているのです。
グルコースから、二酸化炭素・エタノール・ATPを合成
アルコール発酵では、どのように反応が進められるのでしょうか?
次の図を見てください。
酵母菌がグルコースを取り込むことで、アルコール発酵は始まります。
まず、1つのグルコースから2つのピルビン酸が生成します。
このとき水素が取られ、2つのNADH + H+が生成することが特徴です。
また、ATPも合成されます。
この反応は、呼吸の1番目の反応である解糖系と同じですね。
アルコール発酵では、脱炭酸酵素という酵素によって、ピルビン酸から二酸化炭素が取り出されます。
すると、ピルビン酸からアセトアルデヒドが生成します。
そして、アセトアルデヒドにNADH + H+の水素が結合することで、エタノールを生成します。
このタイミングで水素が消費され、NADH + H+はNADに戻り、再びグルコースの分解にかかわるのです。
アルコール発酵と解糖の違いに注意しましょう。
アルコール発酵の場合は、二酸化炭素が放出されることが特徴です。
ビールが泡立っているのは、二酸化炭素が原因なのですね。
また、水素が消費されてNADが戻されるタイミングにも注意しましょう。
解糖では、ピルビン酸に水素が結合しました。
アルコール発酵では、ピルビン酸から生成されたアセトアルデヒドに水素が結合します。
その結果、エタノールという物質が得られます。
エタノールはアルコールの一種であり、お酒に含まれています。
この反応は、「最終的にアルコールが生成する発酵」ということで、アルコール発酵とよばれるのです。
微生物が、酸素を使うことなく有機物を分解してエネルギーを合成する代謝を、発酵といいました。
今回は、発酵の一種として、アルコール発酵について詳しく見ていきましょう。