5分でわかる!密度効果
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この動画の要点まとめ
ポイント
環境抵抗:成長曲線をS字型にする原因
個体数を経時的に測定したグラフを成長曲線といいましたね。
次のグラフを見てください。
これは理論上の成長曲線と実際の成長曲線です。
成長曲線は、縦軸が個体数、横軸が時間を表したグラフです。
また、理論上の成長曲線は個体数が増加し続けますが、実際の成長曲線はS字型になることが特徴でした。
実際の成長曲線がS字型になる理由は、環境ごとに生物が増えることができる最大の個体数が決まっているためです。
なぜ、環境ごとに生物が増えることができる最大の個体数が決まっているのでしょうか?
試験管内で増殖するゾウリムシをイメージして考えてみましょう。
まず、ゾウリムシの増殖が続くと食料が不足します。
また、生活空間も不足していきます。
さらには、排泄物などによって環境も悪化していきます。
これらの原因によって、個体数がある一定の値までしか増加できないのです。
このように、実際の成長曲線がS字型になる原因を環境抵抗といいます。
密度効果:環境抵抗が個体群に与える影響
環境抵抗によって個体数の増殖は途中で止まります。
このとき、具体的にどのような現象が起こるのでしょうか?
試験管内で増殖するゾウリムシをイメージして考えてみましょう。
まず、ゾウリムシの食料や生活空間が不足するため、出生率が低下します。
一方で、死亡率は増加します。
さらには、環境の悪化などに伴って成長の遅延が起こります。
これらの現象によって、個体数がある一定の値までしか増加できないのです。
このように、環境抵抗が個体群に与える影響を密度効果といいます。
環境抵抗という原因が、密度効果という影響を引き起こします。
そのため、生物の個体数はある一定の値までしか増加することができず、実際の成長曲線はS字型になるのですね。
個体数の最大値を環境収容力といいました。
環境収容力は、常に一定の値を示すわけではありません。
例えば、試験管内のゾウリムシが、食料不足のため個体数が増えないとしましょう。
このとき、外側からエサを与えるなどして食料不足を解消すれば、環境収容力を増加させることができます。
一方で、意図的に環境収容力を減少させることもできるのです。
環境収容力は常に同じ値なのではなく、環境抵抗や密度効果によって変化することに注意しましょう。
成長曲線の特徴をおさえましょう。
成長曲線について詳しく見ていきましょう。