高校生物
5分でわかる!植物の相変異
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この動画の要点まとめ
ポイント
植物の相変異
これでわかる!
ポイントの解説授業
個体群密度に関わらず、最終収量は一定
個体群密度によって生物一個体の形態などが変化する現象を相変異といいました。
植物の相変異を、イネを例に確認しましょう。
次の表を見てください。
これは、密度の異なる環境で生育したイネの特徴をまとめたものです。
低密度とは個体群密度が低い状態で、高密度とは個体群密度が高い状態です。
それぞれの密度で育った個体には、どのような違いがあるのでしょうか?
低密度で育った個体は、他の個体との距離が遠くなります。
そのため、各個体が地中の栄養分を十分に吸収することができ、日光を十分に浴びることができます。
よって、成長に必要な条件がそろいやすく、大きくなることができるのです。
高密度で育った個体は、他の個体との距離が近くなります。
そのため、他の個体と地中に根を張るスペースや日光などを争うようになります。
よって、そのような競争が起きることで、大きくなることができないのです。
以上のような理由から、低密度で育った個体は、植物体が大きくなり、実の量は多くなります。
一方、高密度で育った個体は、植物体が小さくなり、実の量が少なくなるのです。
イネの個体群密度が異なると、一個体あたりの実りは異なります。
しかし、同じ田んぼの面積あたりで比較すると、低密度の田んぼでも、高密度の田んぼでも、ほとんど同じ量の実を収穫することができるのです。
これを最終収量一定の法則といいます。
低密度の田んぼでは、多くの実をつけた大きなイネを少数収穫することができます。
一方、高密度の田んぼでは、少ない実をつけた小さなイネを多数収穫することができます。
そのため、単位面積あたりに収穫できる実の量は一定になるのですね。
植物の一個体に発揮される密度効果について見ていきましょう。