5分でわかる!群れの大きさ
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この動画の要点まとめ
ポイント
群れには最適な大きさがある
群れとは、統一された行動がみられる生物集団です。
群れを作ると、食料の確保、繁殖、外敵からの防御が効率的になるという利点がありました。
生物は利点のために群れをどんどん大きくするのでしょうか?
実はそうではありません。群れはある一定のサイズになるのです。
では、群れの大きさはどのように決定されるのでしょうか?
外敵からの防御という点に注目して考えてみましょう。
上のグラフの横軸は群れの大きさを、縦軸は一個体が外敵からの防御に要する時間を表しています。
グラフから、群れが大きくなるほど、一個体が敵からの防御に要する時間が短くなっていることが分かりますね。
このように、群れが大きくなることによって生まれるメリットを利益といいます。
しかし、群れが大きくなると利益だけが増えるのではありません。
群れの拡大に伴って不利益も生じてしまうのです。
群れが大きくなると、集団内での争いの時間が増えてしまいます。
争いの例としては、エサや交尾相手を巡った争いがあげられます。
群れが大きくなると、利益の増加に伴って不利益も増加してしまうのですね。
そのため、利益のグラフと不利益のグラフが交わるところが、群れの最適な大きさになるのです。
群れには最適な大きさがあるということを覚えましょう。
また、最適な大きさの群れでは、利益と不利益がつり合うことが特徴です。
工夫をすると群れをより大きくなることができる
実際の生態系での群れは、他の種との生存争いに勝つために、なるべく大きくなろうとします。
そのため、群れは、不利益が減るような工夫をしていきます。
工夫をした場合の不利益のグラフに注目してください。
工夫をする前の不利益のグラフと比べて、下に位置していますね。
群れは工夫をすることで、群れが大きくなったとしても、集団内での争いの時間を減らすことができるのです。
すると、利益のグラフと不利益のグラフの交点の位置が変わります。
工夫をする前の交点よりも右側に移動していますね。
つまり、群れが工夫をして集団内での争いの時間を減らすと、群れをより大きくすることができるのです。
群れは、工夫によって不利益を軽減して大きくなることができます。
すると、他種に対して高い競争力をもつことができるのです。
生物集団は、利益と不利益だけで群れの大きさを決めているのではありません。
工夫によってなるべく群れを大きくし、種の保存において有利になるようにしているのです。
群れの特徴について見ていきましょう。