5分でわかる!縄張りの形成
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この動画の要点まとめ
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縄張りとは、食料などの確保を目的とした空間です。
縄張りを作る生物の例としては、アユがあげられます。
アユは、どんなときでも縄張りを作るのでしょうか?実はそうではありません。
状況によっては、縄張りを作らないこともあるのです。
縄張りアユ・群れアユ
縄張りを作るアユを縄張りアユといい、縄張りを作らずに群れているアユを群れアユといいます。
アユは、どのようなときに縄張りアユになり、どのようなときに群れアユになるのでしょうか?
縄張りを作ると、さまざまな利益や不利益が生じます。
縄張りは、生物にとって利益が不利益を上回るときに形成されるのです。
アユが縄張りを形成するときの条件について、グラフで詳しく見ていきましょう。
下のグラフは、利益・不利益の大きさと縄張りの大きさの関係を表したものです。
縦軸は、縄張りを形成したときの利益と不利益の大きさを示しています。
横軸は、縄張りの大きさを示しています。
まずは利益のグラフに注目してください。
縄張りを形成することによる利益は、食料の確保です。
縄張りが大きくなると、アユ一個体あたりが食べられるエサの量は多くなります。
しかし、食べられるエサの量には限界がありますよね。
そのため利益は、最初は縄張りが大きくなるとともに増加しますが、やがてほとんど変化しなくなるのです。
次に不利益のグラフに注目してください。
縄張りを形成することによる不利益は、縄張りを維持するための労力です。
縄張りが大きくなると、ほかの個体に侵入されやすくなります。
そして、アユ一個体あたりが防衛する領域が大きくなってしまいます。
そのため不利益は、縄張りが大きくとともに直線的に増加するのです。
縄張りは、利益が不利益を上回るときに形成されることが特徴でしたね。
利益のグラフと不利益のグラフが、2箇所で交わっているのが分かりますか?
2つの交点の間の領域では、利益が不利益を上回っていますよね。
このような条件が整っているときにアユは縄張りを形成するのです。
利益が最大となるように縄張りや群れを形成
利益が不利益を上回っているときに縄張りが形成されます。
しかし、利益が不利益を上回っていさえすれば、どんな大きさの縄張りでもよいというわけではありません。
生物は、なるべく多くの利益を得ようとします。
そのため、縄張りには最適の大きさがあるのです。
アユの縄張りの形成についてのグラフをもう一度見てみましょう。
点線で示された箇所で、利益と不利益の差が最も大きくなっていますね。
このように、利益が最大になるような状態が、最適な縄張りの大きさなのです。
もちろんアユは、いつでも最適な大きさの縄張りを作れるとは限りません。
思うように条件が整わず、縄張りの大きさが維持できないときもあるのです。
ときには、縄張りを作っても利益が不利益を下回ってしまうことがあります。
そのようなアユは、縄張りを作らずに群れアユとなるのです。
もしも、アユにとって不利益がとても大きい環境ではどうなるのでしょうか?
不利益がとても大きい場合のグラフが書き込まれていますね。
このような状況の例としては、川があげられます。
川では、少しでも縄張りを大きくしようとすると、縄張りを維持するための労力がかなりかかるのです。
グラフでは、利益が不利益を常に下回っていますね。
すると、すべてのアユは群れアユになるのです。
縄張りの形成についておさえましょう。
縄張りの形成について見ていきましょう。