5分でわかる!ニッチ分割を伴う共存
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この動画の要点まとめ
ポイント
基本ニッチ:単独種が分布するときのニッチ
ニッチとは生態的地位とも呼ばれます。
生態的地位とは、食べるものや生息する場所など、その生物種が生態系内で占める位置のことでしたね。
ニッチ分割を伴う共存をする生物の例としては、フィンチがあげられます。
フィンチは、食べる木の実を変えることで異種とうまく共存しています。
次のグラフを見てください。
これは、異なる生態系にいるフィンチ①とフィンチ②に関するグラフです。
縦軸は個体数を、横軸はくちばしの大きさを表しています。
グラフでは、最も個体数が多いくちばしの大きさが丸で囲まれています。
どちらのフィンチも、同じくちばしの大きさの個体数が最も多くなっていますね。
よってフィンチ①もフィンチ②も、同じ大きさの木の実を食べていると推測できます。
このように、単独種が分布するときみられるニッチを基本ニッチといいます。
フィンチ①とフィンチ②の基本ニッチは同じであると言えるのです。
形質置換によって実現ニッチへ
フィンチ①とフィンチ②は、基本ニッチが同じであり、通常は異なる生態系に生息しています。
しかし、何らかの理由で同じ生態系内で共存する必要が生じた場合、くちばしの大きさに変化が見られるのです。
次のグラフを見てください。
これは、フィンチ①とフィンチ②が共存したときに関するグラフです。
縦軸は個体数を、横軸はくちばしの大きさを表しています。
丸で囲まれた部分は、それぞれのフィンチが別の生態系で生息していたときに、最も個体数が多かったくちばしの大きさです。
グラフでは、フィンチ①のくちばしは小さくなり、フィンチ②のくちばしは大きくなっていますね。
基本ニッチが同じである異なる個体群が共存しようとすると、ニッチの競争の結果、生物の性質が変わっていくのです。
このように、ニッチの競争の結果、形質が変化する現象を形質置換といいます。
それぞれのフィンチは、もともと同じ木の実を食べていました。
しかし共存すると、それぞれのくちばしの大きさが変化し、それに応じて食べる木の実の大きさも変わるのです。
異なる種のフィンチ同士で、食い分けのような工夫が見られるのですね。
このように、異種が共存するときにみられるニッチを実現ニッチといいます。
生物は、形質置換によって基本ニッチから実現ニッチへと形質を変えることで、異種とうまく共存することができるのですね。
ニッチ分割を伴う共存について見ていきましょう。