5分でわかる!ニッチ分割を伴わない共存
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この動画の要点まとめ
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サンゴは攪乱によって共存が可能に
フィンチは、形質置換によって基本ニッチから実現ニッチへと性質を変えることで、異種とうまく共存していました。
しかし、ニッチ分割を伴わずに、食物も生息場所も変えることなく共存する生物もいます。
ニッチ分割を伴わない共存をする生物の例としては、サンゴがあげられます。
台風のように、生態系の一部を破壊する要因を攪乱といいます。
サンゴ礁は、台風などの攪乱に常にさらされています。
実はこの攪乱が、サンゴの共存に深く関わっているのです。
次のグラフを見てください。
これは、攪乱の規模に対するサンゴの種類と被度の関係を表したグラフです。
縦軸はサンゴの種類、横軸は生きたサンゴの被度を示しています。
被度とは、サンゴが海底を占めている割合のことです。
台風という攪乱をイメージして、考えてみましょう。
台風がほとんど来ず、攪乱の規模が小さいと、生きたサンゴの被度は増加します。
しかし、サンゴどうしの生存競争が起こり、強い種だけが生き残るため、サンゴの種類は減少します。
一方、台風が何度も来て、攪乱の規模が大きいと、生きたサンゴの被度は減少します。
また、サンゴの個体数の減少によって、サンゴの種類も減少します。
攪乱の規模が小さすぎても大きすぎても、サンゴの共存は起こらないのですね。
グラフで、サンゴの種類も被度もある程度高い値になるのは、攪乱の規模がどのようなときでしょうか?
実は、中規模の攪乱が起こるときに、サンゴの種類と被度がともに高い値を示します。
台風などの攪乱によってある程度サンゴが破壊されると、サンゴ礁はさまざまな種類から構成されるようになります。
そして、サンゴ礁の多様性が増加すると、さまざまな環境変動があったときに生き残る確率が高くなるのです。
サンゴどうしは、食物や生息場所を変えてはいませんが、攪乱によって共存が可能となるのですね。
ニッチ分割を伴わない共存について見ていきましょう。