5分で解ける!極値の存在条件に関する問題
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この動画の問題と解説
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解説
導関数f'(x)を求める
計算を始める前に,定義域を確認します。分母の0はNGと約束されているので, x≠1 ですね。
次に,導関数f'(x)を計算しましょう。
f'(x)={(x2+x+a)/(x-1)}'
商の微分公式より,
f'(x)の分母
(x-1)2
f'(x)の分子
(x2+x+a)'(x-1)-(x2+x+a)(x-1)'=(2x+1)(x-1)-(x2+x+a)
よって,
f'(x)=(x2-2x-1-a)/(x-1)2
このとき x≠1 です。
f'(-1)=0の方程式を立てる
いまx=-1で極値をとることがわかっていますね。このとき, f'(-1)=0 が成り立ちます。極値をとるときの導関数の値は必ず0になりました。したがって, f'(-1)=0 は必要な条件になるのです。
f'(-1)={(-1)2-2×(-1)-1-a}/(-1-1)2=0
これを解いて,
a=2 であるとわかります。
a=2を代入して,x,f'(x),f(x)の増減表を作成
未知数aの値がわかったら,f'(x)にa=2を代入して,導関数の式を明らかにしましょう。
上の式より, f'(x)=0の解がx=-1,3 であるとわかりましたね。これをもとに,増減表 を書きましょう。一番上の段には,xの値を書きます。f'(x)=0となる x=-1,3 に加えて,f(x),f'(x)の分母が0となるx=1 を書き込んでおきます。
真ん中の段には,f'(x)の符号を書きます。f'(x)=(x+1)(x-3)/(x-1)2において,分母は正なので, (x+1)(x-3) がf'(x)の符号を決めます。それぞれの範囲の符号を調べると,
分母が0となるので,x=1のときのf(x),f'(x)は値がないことに注意してください。一番下の段には,f(x)の増減を書き入れましょう。f'(x)>0ならば増加(↗),f'(x)<0ならば減少(↘)ですね。
f'(x)の符号は,x=-1を分岐点にして正から負に変わっています。f(x)は,a=2のとき確かにx=-1で極値をとると言えますね。
x=-1のときに極大値,x=3のときに極小値
最後に,f(x)の極値を求めましょう。増減表におけるf'(x)の符号変化を見ることで,極値がわかります。
f'(x) は,x=-1 を分岐点として,符号が正から負に変わっています。グラフが↗から↘になるので 極大値f(-1) をとることがわかります。また f'(x) は,x=3 を分岐点として,符号が負から正に変わっています。グラフが↘から↗になるので 極小値f(3) をとることがわかります。
あとは,x=-1,3を,f(x)に代入すれば答えが出てきますね。
「f(x)が極値をとる」が示す2つのポイント
解法のポイントはつかめましたか? 「x=pで極値をとる」 という条件は,2つの大事な情報を私たちに教えてくれます。
まず,x=pで極値をとるということは, ①f'(p)=0 であることが言えますね。極値をとるときの導関数の値は必ず0になりました。したがって, ①f'(p)=0 は必要な条件です。
さらに,曲線y=f(x)のグラフをイメージしてください。y=f(x)のグラフにおいて,下がって(↘),上がる(↗)点が極小値で,上がって(↗),下がる点が極大値でした。ようするに,x=pで極値をとるということは, ②x=pの前後で導関数の符号が変化 しているのです。
極値の存在条件は,定期試験や大学入試でも定番の問題です。しっかりおさえておきましょう。
f(x)=(x2+x+a)/(x-1)がx=-1で極値をとるように,定数aの値を定める問題です。これまでの問題では関数の極値を求めてきましたが,この問題では 「x=-1で極値をとる」 という条件を手掛かりにして,未知数aの値とf(x)の極値を求めます。