5分でわかる!電離度とは

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この動画の要点まとめ
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これまで、色々な種類の酸や塩基について学んできました。
これらの 酸・塩基の強さ には大きな違いがあります。
どうしてそのような違いがでてくるのか、考えていきましょう。
電離度α=電離した酸(塩基)の物質量〔mol〕/溶解した酸(塩基)の物質量〔mol〕

まずは図をみてください。

ビーカーの中で、 塩酸HCl と 酢酸CH3COOH が水に溶けていますね。
図の中の小さな粒は H+ 、少し大きな粒は Cl- 、細長い粒は CH3COO- ですね。
HClの方では、H+とCl-が10ペアずつ入っています。
CH3COOHの方でも、H+とCH3COO-が10ペアずつ入っていますね。

みなさんは、これらの水溶液の違いがわかりますか?
HClは、 10ペアすべてが電離 しています。
一方、CH3COOHはというと、 10ペア中1ペアだけ電離 しているのがわかりますね。

これを式で表す方法があります。
電離度α=電離した酸(塩基)の物質量〔mol〕/溶解した酸(塩基)の物質量〔mol〕

さて、電離度がわかるとどのようなメリットがあるのか、具体的に見ていきましょう。
電離度がほぼ1ならば強酸・強塩基

今、10molのHClを水に溶かしたとします。
溶解したHClの物質量は、10molです。
電離したHClの物質量も、10molです。
このことから、電離度=10mol/10mol=1となります。
HClのように、 電離度がほぼ1の酸 を 「強酸」 といいます。
電離度が1よりかなり小さければ弱酸・弱塩基

次に、CH3COOHを水に溶かしました。
溶解したCH3COOHの物質量は、10molです。
電離したCH3COOHの物質量も、1molです。
このことから、電離度=1mol/10mol=0.1となります。
CH3COOHのように、 電離度が1よりかなり小さい酸 を 「弱酸」 といいます。

「弱酸」や「強酸」と同じように、 「弱塩基」 や 「強塩基」 という言葉もあります。
計算方法は同じなので、しっかりと覚えておきましょう。
このように、電離度がわかれば、 酸・塩基の強さがわかる のです。

今回のテーマは、「電離度」です。